柿と杮(こけら)――同じようで違う漢字のお話

秋の色がきれいな季節になりました🍊

ところで皆さん、「柿」とよく似た字の「杮(こけら)」をご存じでしょうか?

実はこの二つの漢字、見た目はほとんど同じですが、まったく別の意味を持っています。

「柿」はご存じのとおり秋の果物。
「杮(こけら)」は「木の皮を薄く削ったもの」や「こけら落とし(劇場などの最初の公演)」などに使われる漢字です。

両者の違いはほんのわずか。
よく見ると、「柿」は中の部分が“十”の形なのに対し、
「杮(こけら)」は“木”の形になっています。
(つまり、縦線が一本多いのが「杮(こけら)」です。)

建築の世界でも、「杮葺き(こけらぶき)」という屋根の仕上げがあります。
薄い木の板を丁寧に重ねていく、日本ならではの伝統的な工法です。

秋の味覚「柿」と、日本建築に通じる「杮」。
似ているようで違う二つの漢字には、どちらも“木”と深いつながりがあります。
そんなところに、日本の文化の奥深さを感じますね